茨城県の日立市はその名前の通り有名グループ企業の企業城下町として賑わう、労働者の多い街となっています。古くは鉱山の街として発展したという歴史もあり、労働者の活気が街そのものに染み付いているようにも感じられます。市内の多くを工業地帯が占めていることもあって、住宅地は山間部を切り開いた場所にあることが多くなっています。
そんな住宅地の一角にあるマンションにお住まいの男性から、トイレの詰まりで困っているので一度点検して可能ならなるべく早く修理して欲しいとのご依頼を受けました。トイレ詰まりは数ある水道関係のトラブルのなかでも緊急性の高いものの一つです。
ホームセンターなどで簡単に購入できるラバーカップによる詰まりの解消や、お湯や液体洗剤を流し込んで詰まりの原因である異物を溶かすといった方法でトイレ詰まりは比較的素人にも対処が簡単なトラブルであるという印象が広がっています。しかし、一時的に詰まりを解消しただけでは根本的な解決にはなっておらず、結果的に更に酷い状況に繋がってしまう危険性も高いのです。
もしもトイレから汚水が溢れ出した場合、生活環境が破壊されてしまうだけではなく賃貸物件の場合は責任問題にもなりかねません。また匂いが周囲に広がることでご近所とのいさかいの原因になってしまうこともあります。幸いなことにご依頼くださった男性は初期症状の段階でその辺りまで考慮して、プロの水道修理業者を頼ってくださったようでした。期待に応えるように丁寧に現場の検証を行ったところ、排水詰まりの直接原因はトイレットペーパーのほかに除菌シートを流したことによる紙詰まりではないかと推測できました。その除菌シートはトイレで流せる水に溶けるタイプではあったのですが、掃除の際などに大量のトイレットペーパーと一緒に流してしまうと混ざり合って上手く溶けていかないというケースは考えられます。
また、そもそもタンクからの排水圧力が少し弱いのが気にかかりました。水圧が十分であれば多少の詰まりなら押し流せるため、これもトイレ詰まりの一因であることは間違いないと判断しました。まず、トイレの排水管を溶剤とワイヤーブラシで掃除して詰まりを完全に解消しました。次にタンク内を検査してレバーのたるみやパッキンの劣化などを確認し、必要な処置を施しました。ただ、それでも確実な流水量を確保できるかは少し不安があったので依頼主にはなるべく大の方向にレバーを回すようにアドバイスをしてその日の作業は終了とさせていただきました。